ローイングで背中より腕が先に疲れるのはなぜ?
ローイングをすると
「背中を鍛えたいのに、前腕が先に疲れてしまう」
と感じることがありませんか?
インバーテッドロー(斜め懸垂)でも同じです。
背中にはまだ余裕がありそうなのに、握っている手や前腕がつらくなって続けられない。
これは、ローイングのやり方が間違っているのでしょうか?
ローイングでは前腕も使っています。
ローイングは背中のトレーニングですが、背中だけを使っているのではありません。
バーを握り続けるためには、前腕の筋肉も使います。また、ひじを曲げるために上腕二頭筋なども働きます。

インバーテッドローの筋活動を調べた研究でも、広背筋や僧帽筋だけでなく、上腕二頭筋など複数の筋肉が活動することが確認されています。
つまり、ローイングをして前腕が先に疲れるのは不思議なことではありません。
「前腕ばかり疲れるから、背中を使えていないのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、前腕に強い疲労を感じたからといって、背中の筋肉が働いていないとは限りません。
インバーテッドローを調べた筋電図研究では、広背筋、僧帽筋中部・下部、三角筋後部など背中側の筋肉が実際に活動していることが確認されています。
つまり、「どこが一番疲れたと感じるか」と「どの筋肉が働いているか」は、必ずしも同じではありません。
なぜ前腕が先に限界になるの?
実際、海外のトレーニングコミュニティでも、
「背中より前腕が先に疲れる」
「背中に効いてくる前に握力が限界になる」
「インバーテッドローをすると前腕ばかり疲れる」
といった悩みは繰り返し見られます。
珍しい悩みではないようです。
・解決法1
「負荷を少し下げてみる」
インバーテッドローは、体と地面が平行に近づくほど負荷が大きくなります。
前腕が先につらくなる場合は、高めのバーに変える、足の位置を変えるなどして負荷を下げてみてください。
負荷を下げることで、正しいローイングのフォームの習得にも役立ちます。
・解決法2
「手で引く」より「ひじを後ろへ引く」
バーを握っている手を引き付けようではなく、ひじから体の方へ引き付けるイメージで行う。
・解決法3
「バーの太さを変える」
ローイングは、握るバーの太さによって握りやすさが大きく変わります。
太すぎないかを確認してみるとよいでしょう。
背中より前腕が疲れても、すぐに「失敗」と考えなくていい
バーを握っている以上背中だけでなく握力も使います。
そのため、前腕が疲れること自体はおかしなことではありません。
そして、
「前腕が疲れる=背中に効いていない」
とすぐに判断する必要はありません。
参考文献
Youdas JW, et al.
Activation of spinal stabilizers and shoulder complex muscles during an inverted row using a portable pull-up device and body weight resistance.
Journal of Strength and Conditioning Research. 2016.
PubMedで確認する
Fenwick CMJ, et al.
Comparison of different rowing exercises: trunk muscle activation and lumbar spine motion, load, and stiffness.
Journal of Strength and Conditioning Research. 2009.
PubMedで確認する